[静かな空をもとめて] 第2次新横田基地公害訴訟原告団

第18回口頭弁論(結審弁論)が行われました

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第18回口頭弁論(結審弁論)が行われました

2017.03.01

 東京地裁立川支部で第17回口頭弁論が開かれました。
 今回で、地方裁判所での審理は終結(結審)となりました。

提出書面

  • 原告側
    • 最終準備書面 これまでの主張の総まとめ
    • 関係証拠
  • 被告(国)側
    • 準備書面(27) 住宅防音工事資料について(訂正・補充)
    • 準備書面(28) 低周波音に関する反論
    • 準備書面(29) 最終準備書面
    • 関係書証

口頭弁論手続

 今回は判決前最後の法廷ということで、3名の原告と、全国の基地騒音訴訟弁護団から4名の弁護士と、横田弁護団から8名の弁護士が口頭で意見を述べました。

原告の意見陳述

 最初は八王子の原告で、現在原告団の役員になっている方です。すべての原告を代表して、基地騒音被害を軽減するためには、だんらん時間から夜間・早朝の飛行を差し止めるしかない、そのためには裁判所の判決がどうしても必要だということを訴えました。
 2人目は瑞穂の原告で、第1次新訴訟が始まる少し前に被害地域外から転入された方です。新居を購入する契約が済んでからはじめて騒音被害を知ったこと、基地の存在が地域社会をゆがめ、子供たちの世界でさえ騒音を「うるさい」と言い出せない空気がまん延している不自然さを切々と訴えました。
 3人目は昭島の原告で、以前飛行直下の小学校で先生をされていた方です。横田基地の騒音は子供たちの学習環境を壊し、高齢者や病気療養中の人々から静かな日常を奪っていること、将来配備が予定されているオスプレイなどの低周波音が健康を脅かす心配もあること、40年にわたる訴訟にずっと原告として参加してきたけれど、被害は現在も続いていることを訴え、裁判所の抜本的な判決を求めました。

全国の弁護団からの意見陳述

 続いて、嘉手納、厚木、小松、岩国の各基地の訴訟の弁護団から意見をいただきました。
 ほんの1週間ほど前の2月23日に地裁判決のあった嘉手納訴訟では、騒音による健康影響も認められ、総額300億円を超える賠償が命じられました。厚木訴訟では、昨年12月に最高裁判決で破棄されたものの、地裁、高裁と自衛隊機の夜間飛行差止めを認める判決が出ています。小松基地訴訟では、騒音による健康影響調査が着実に進められています。岩国訴訟では、滑走路の沖合展開にもかかわらず住宅地への被害が続いており、常駐はしていないものの、オスプレイの陸揚げや訓練時の移動拠点になっており、低周波音による健康影響も生じています。
 在日米軍や自衛隊は全国に展開していますから、横田基地訴訟も、こうした全国の基地問題の一環として捉えた上で判決をしてもらう必要があります。

横田弁護団からの意見陳述

 最後に、私たちの弁護団から、これまでの裁判で訴えてきたことの総まとめとしての意見陳述をしました。
 横田基地が長期間にわたって軍用基地として利用され、近年は訓練基地としても機能が強化されていること、そのために騒音はもちろん、様々な迷惑が住民にもたらされ、睡眠妨害や様々な健康影響、当たり前の日常生活が騒音によってかき乱されていることなどを明らかにし、これらを解決するためには、まず騒音発生源を制限すること(騒音差し止め)、その上で被害に対する補償を、過去分だけでなく、被害が継続する限り行うことが不可欠であることを改めて訴えました。

国側の意見陳述

 異例のことですが、今回は国側からも最終陳述が行われました。
 横田基地の騒音は、もっともひどかった朝鮮戦争やベトナム戦争当時からすれば静かになった、睡眠妨害などの被害は人それぞれで、被害のない人もいる、住宅防音工事などによって騒音の影響は小さくなっている、そして、横田基地には高度の公共性・公益性があるから、多少の被害は甘受すべきだ、というのが国側の陳述の骨子でした。

 現在進行形の被害を直視しない国の主張には、怒りの声も寄せられています。基地の公共性や公益性をうたうなら、私たち基地周辺住民に被害という負担を押し付けるのは間違っています。判決で国の誤った態度を非難してもらいたいところです。

判決について

 次回は判決期日ですが、その日程は決まっていません。
 後日裁判所から判決期日の指定があります。
 判決期日が決まりましたら、改めてお知らせします。

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